棚替えとは?目的や手順、おすすめのサービスについて解説
										棚替え(たながえ)とは、小売業において陳列されている商品の種類や配置、陳列方法などを変更する一連の作業のことをいいます。
 ドラッグストアやスーパーマーケットといった小売業界の店舗運営において、「棚替え」は売上向上と効率化の鍵を握る重要な業務です。
 商品の陳列場所を見直し、定期的に変更することで、お客様の購買意欲を高め、店舗の魅力を維持することができます。
しかし、この棚替え作業は、商品の入れ替え計画、陳列方法の決定、そして実際の作業といった多岐にわたる工程を含み、店舗運営部の皆様にとって大きな負担となっているのが現状ではないでしょうか。
 この記事では、大手小売企業の店舗運営部の皆様が抱える課題解決のため、棚替えの基本的な目的や手順を整理し、業務効率を劇的に改善するための具体的な方法をご紹介します。
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本資料では、サービスの概要や実績などをまとめて紹介しております。ぜひご覧ください。

棚替えとは?
棚替え(たながえ)とは、小売業において陳列されている商品の種類や配置、陳列方法などを変更する一連の作業のことをいいます。
 季節の変わり目や、新商品の発売、競合店の動向などに応じて、定期的に実施されるのが一般的です。
棚替えは、特にマーチャンダイジング(MD)戦略を実行するための極めて重要な業務として位置づけられています。
 単に古い商品を新しい商品と入れ替えるだけでなく、どの商品をどの場所に、どれくらいの量で陳列するかを計画し、実行することで、お客様の購買意欲を刺激し、店舗の収益向上を目指します。
棚替えの目的
棚替えを行う目的は多岐にわたりますが、主に売上向上と店舗運営の効率化に貢献します。
ここでは、主要な目的を3点取り上げて解説します。
商品の入れ替えのため
棚替えの最も直接的な目的は、新商品や季節商品の導入、または不振商品の撤去です。 
 消費者のニーズやトレンドは常に変化しています。
 売れ筋商品や、メーカーから発売される新商品を最適な場所へ陳列し、お客様に気づいてもらいやすくすることで、初期の売上を最大化します。
季節商材や新商品を売るため
季節が変化するのに合わせて、たとえば、夏場は冷たい飲料や日焼け止め、冬場は温かい食品や防寒グッズといった、需要が高まる商品を売場の中心に移動させます。
 また、売れ行きの悪い商品を撤去し、そのスペースにより売れる見込みのある商品を陳列することで不採算商品を見直し、売場全体の収益性を高めます。
売場に新鮮さを出すため
お客様は、いつも同じ商品が同じ場所に並んでいる店舗よりも、陳列に変化や工夫が見られ、来店するたびに新鮮さを感じさせる店舗に魅力を感じるものです。
 棚替えによって売場の見た目が変わると、お客様に「何か新しい発見があるかもしれない」という期待感を与え、来店頻度の維持や向上につながります。
棚替えの手順
計画的かつ効率的に棚替えを実施するためには、確立された手順に従うことが重要です。
 ここで、一般的な棚替えの手順をご紹介します。
事前準備
事前準備として、「目的・ゴールの設定と情報共有」「棚割り計画の作成」「必要な資材の準備」が必要です。
目的・ゴールの設定と情報共有
「どの商品の売上を何%向上させるか」「どのターゲット層に訴求するか」といった具体的な目的とKPIを設定します。
 その上で、計画を店舗スタッフや関係者全員に共有し、認識のズレが生じないようにします。
棚割り計画の作成
過去の販売データや顧客の購買傾向を分析し、「どの商品を」「どの棚の」「どの位置」に「いくつ」陳列するかを記した棚割図(プランニング)を作成します。
棚割りについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】
 棚割りで売上が変わる?基本と効果的な棚割りのポイントを紹介
必要な資材の準備
プライスカード、POP、棚板、什器、清掃用具など、棚替えに必要なすべての資材を事前に準備し、作業当日の手戻りを防ぎます。
 棚替えの成否は、これらの事前準備にかかっているといえます。
棚替えの実施
作成した棚割計画に従って、実際の陳列作業を行います。
 具体的には、次の手順で行いましょう。
商品の撤去と清掃
古い商品を棚からすべて撤去し、同時に棚板や什器の清掃を行います。
 清掃は手間ですが、清潔な状態にすることで、商品の魅力がより引き立ちます。
新しい商品の陳列
作成した棚割図に基づき、新しい商品を陳列します。
 この際、商品の種類やデザイン、サイズ、色合いなどを考慮し、お客様にとって見やすく、取りやすい配置を心がけましょう。
陳列について詳しくは、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】
【店舗売上UP】売れる商品陳列の基本と6つのコツを紹介
POP・プライスカードの設置
陳列が完了したら、商品の情報や価格、キャンペーン情報などを記載したPOPやプライスカードを正確に設置します。
誤った表示は顧客の信頼を損ねるため、細心の注意を払いましょう。
棚替え後の処理
作業後のフォローアップも棚替え業務の重要な一部です。
 具体的には、次の3つの作業を行います。
残った商品の整理
過去の陳列で残った商品のうち、まだ販売可能なものは適切な在庫場所へ戻し、廃棄が必要なものはルールに従って処理しましょう。
売場確認と最終チェック
棚割計画通りに陳列されているか、陳列の品質にばらつきがないかを責任者が確認します。
 特にゴールデンラインなど、重要な位置の陳列状態をチェックします。
効果測定の準備
棚替え後の一定期間(通常は数週間から数ヵ月)で、設定したKPI(例:売上、客単価、回転率)を測定し、次の棚替え計画に活かせるよう、データ収集の準備を行います。
棚替えのコツ・ポイント
ここで、棚替えを単なる作業で終わらせず、売上増加につなげるための具体的なコツを紹介します。
フェイシングを検討する
フェイシングとは、商品を陳列する際、お客様に見える商品の面数を調整することです。
 フェイシング数を増やすことで、陳列スペースに適切な在庫量を維持しやすくなり、品切れを防ぐ効果も期待できます。
売れ筋商品や注目度の高い商品はフェイシング数を増やすことで、視認性が高まり、お客様の手に取ってもらえる機会が増加します。
フェイシングについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】
 フェイシングとは?メリットや作り方を解説
ゴールデンラインを意識する
ゴールデンラインとは、お客様が最も商品を見やすく、手に取りやすい高さの視線を意識した位置に商品を陳列することを指します。
 一般的に、来店客の視線は入り口から左斜め前へと流れるといわれています。 また、棚などを見る際は、左上から右下へ見ることが多いです。
陳列する際の順番を意識する
商品の並べ方一つで、お客様の購買行動は大きく変わります。
 たとえば、次のような工夫が考えられます。
関連性の高い商品を近くに
たとえば、パンの近くにジャムやバターを陳列するなど、一緒に買われる可能性の高い関連商品を近くに配置することで、ついで買い(クロスマーチャンダイジング)を促進します。
クロスマーチャンダイジングについて詳しくは、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】
 クロスマーチャンダイジングとは?小売業の売上を伸ばす戦略を紹介!
サイズ・色のグラデーション
同一商品のサイズ違いや色違いを並べる際は、大きいものから小さいものへ、あるいは濃い色から薄い色へと統一感のある順番に並べると、お客様にとって選びやすく、見栄えも向上します。
 陳列について詳しくは、下記の記事をご覧ください。
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 【店舗売上UP】売れる商品陳列の基本と6つのコツを紹介
棚替えに集中できる曜日や時間帯を選ぶ
お客様の来店が少ない曜日や時間帯を選んで棚替えを実施することが、業務効率化の鍵となります。
 お客様の動線を妨げず、スタッフが作業に集中できるように、閉店後や開店前といった営業時間外を活用することが理想的です。
また、棚替えに専念するスタッフと、接客やレジ業務を行うスタッフを明確に分けることで、両業務の品質低下を防ぎましょう。
必ず接客を優先する
棚替え作業中であっても、お客様の接客対応が求められた場合は、作業を中断してでも接客を優先することが重要です。
 顧客サービスを疎かにすると、店舗の印象が悪化し、顧客満足度(CS)の低下に直結します。
やむを得ず作業中に接客対応が難しい場合は、「作業中」であることを示す看板などで配慮を示すことが、トラブル防止につながります。
棚替えの効率化にアウトソーシングがおすすめ
大手小売企業の店舗運営部にとって、棚替えは重要でありながらも、店舗スタッフの負担が大きく、品質のばらつきが生じやすいという課題があります。
この課題を解決する最も有効な手段の一つがアウトソーシング(外部委託)です。
たとえば、エイジスグループでは、「季節の棚替え・カテゴリーリセット」サービスを提供しております。
棚替専門プロチームが素早く棚替えを実行するため、店舗を休ませずに棚替えを行えます。
このため、売上高、利益高・粗利率の向上が見込めます。
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エイジスの「季節の棚替え・カテゴリーリセット」サービスについて、詳しくは下記ページをご覧ください。
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