PI値とは?計算方法や活用方法を解説
店舗の販売データを分析する際、売上総額だけを見て「どの商品が本当に支持されているのか」を見誤っていませんか?
膨大な商品数を扱う小売業の商品部において、店舗規模や客数に左右されずに商品の支持度を客観的に評価できる指標が「PI値(Purchase Index)」です。
昨今の小売業界では、物価高騰や消費者ニーズの多様化により、精度の高い棚割りや在庫管理がこれまで以上に求められています。
そこで本記事では、PI値の基本定義から正確な計算方法、そして大手小売業が実践すべき具体的な活用シーンについてご紹介いたします。
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PI値とは
PI値(Purchase Index)とは、日本語で「購買指数」と訳され、レジを通過した客数1,000人あたりの購買度合いを示す指標です。(客数が少ない業態類型では100人当たりで計算する例もあります)。
PI値を活用することで、売上高や販売数だけでは捉え切れない、商品の人気度や販売効率を把握できます。
また、客数という分母を基準にするため、店舗の規模や客数の多寡に左右されることなく、1,000人あたりの支持率として比較できるため、「その商品がどれだけ顧客に支持されているか」を自社の異なる店舗間で客観的に把握できる点が特徴です。
商品部が全社的なMD(マーチャンダイジング)戦略を練る上で重要なKPIとなります。
PI値の計算方法
PI値は、以下の計算式で算出します。
PI値 = 購買数量(または金額) ÷ レジ通過客数 × 1,000
分析の目的に応じて、主に以下の2種類を使い分けます。
- 数量PI値…1,000人あたりの「買上数量」。商品の人気度や浸透度を測るのに適しています。
- 金額PI値…1,000人あたりの「売上金額」。売上貢献度を測る際に活用します。
たとえば、ある商品の1日の販売数が50個、レジ通過客数が5,000人だった場合、数量PI値は「50 ÷ 5,000 × 1,000 = 10.0」となります。
これは「1,000人が来店すると10個売れる」という予測のベースになります。
PI値を活用するメリット
PI値を活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
店舗間・一定期間の公平な比較が行える
客数の異なる店舗同士や、祝日と平日といった客数が変動する期間同士を、同じ基準で評価できます。
異常値を早期に発見できる
売上高は横ばいでもPI値が低下していれば「客数は増えているが支持は落ちている」という危険信号を一早く察知できます。
精度の高い需要予測が行える
翌日の予測客数にPI値を掛けることで、より現実に即した販売予測が可能になります(客数のより正確な予測ができれば発注などにも生かせます)。
PI値の活用方法
最後に、PI値の代表的な活用方法について解説します。
売れ行き分析
PI値の最も基本的な活用方法が「売れ行き分析」です。
一般的に売上金額や販売数量だけで商品を評価すると、来店客数や店舗規模の影響を大きく受けてしまいます。
そのため、本来の「商品そのものの人気」を正確に把握することが難しくなります。
そこでPI値を用いることで、「来店客1,000人あたり何個売れているか」という視点で分析が可能になります。
これは言い換えれば、「どれだけの顧客に選ばれているか」を示す指標です。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 売上は高いがPI値が低い商品…客数の多い店舗で売れているだけの可能性がある
- 売上は低いがPI値が高い商品…一部の顧客に強く支持されている商品の可能性がある
このようにPI値を活用することで、表面的な売上では見えない「隠れた人気商品」や「改善余地のある商品」を発見できます。
また、大手小売業においては数千から数万SKUを扱うため、感覚的な判断では限界があります。
PI値による分析によって、商品部における意思決定の属人化を防ぎ、データドリブンな商品戦略の実現につながります。
さらに、近年は消費者ニーズの多様化が進んでおり、単一のヒット商品だけでなく「ニッチだが確実に売れる商品」を見つけることが重要です。この点でもPI値は有効に機能します。
商品配置
PI値は「どの商品をどこに置くべきか」という商品配置(棚割り)にも活用できます。
売場のスペースは限られており、すべての商品を同じ条件で陳列することはできません。
そのため、限られた棚を最大限に活用するには、「売れる可能性が高い商品」を優先的に配置する必要があります。
ここで重要になるのがPI値です。
PI値が高い商品は、多くの来店客に選ばれているため、以下のような配置が効果的と考えられます。
- ゴールデンゾーンへの配置
- エンドキャップ(通路端)への展開
- フェイス数の拡大
一方で、PI値が低い商品は配置の見直し対象となります。
たとえば、以下の対応を検討する必要があります。
- 陳列位置の変更
- フェイス数の削減
- 販売継続の可否判断
在庫管理
PI値を活用することで、在庫管理の高度化にもつなげられます。
在庫管理において重要なのは、「欠品を防ぎつつ、過剰在庫を持たない」バランスです。
しかし、需要予測が不十分な場合、このバランスを保つことは容易ではありません。
そこでPI値を活用することで、商品の需要をより正確に把握できます。
PI値が高い商品は安定して売れる傾向があるため、
- 在庫量を多めに確保
- 補充頻度を高める
といった対応が求められます。
一方で、PI値が低い商品については、
- 発注数量の見直し
- 在庫削減
- 廃番検討
といった判断が必要になります。
このようにPI値を基準に在庫をコントロールすることで、以下の効果が期待できます。
- 欠品による販売機会ロスの防止
- 在庫回転率の向上
- 廃棄ロスの削減
まとめ
PI値は、データに基づいた科学的な小売経営を支える強力な武器です。
売上という「結果」だけでなく、PI値という「支持のプロセス」を分析することで、商品部が打つべき施策の精度は格段に向上します。
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