商品が売れるディスプレイの仕方とは?商品陳列の基本やテクニックも解説!

商品陳列のテクニックは、小売店の売上を大きく左右する重要な要素です。 商品の補充や品出し、棚替え、改装など、様々な頻度で発生する店舗の”売場づくり”をすべてサポートします。 本資料では、サービスの概要や実績などをまとめて紹介しております。ぜひご覧ください。
近年、競合店との違いを打ち出すために、陳列方法や売場の見せ方に注力する企業が目立ちます。
特に現場での「視覚的な訴求力」を高める工夫は、購買行動に直結するため、店舗運営部門にとっての重要課題といえるでしょう。
売れるディスプレイには明確なルールと技術が存在します。
そこで本コラムでは、商品ディスプレイの基本から実践的な手法までを解説します。エイジスのマーチャンダイジングサービス
ディスプレイが商品を売るために重要な理由
小売店において、商品が「売れるかどうか」は、単に品揃えや価格の問題ではありません。お客様が店内を歩きながら目にする「ディスプレイ=商品陳列の見せ方」こそが、購買意欲を大きく左右する要因の一つです。
現代の消費者は、情報の洪水の中で日々、大量の商品に接しています。
そうした中で、売場で「一瞬で目を引く」「立ち止まらせる」工夫ができていれば、消費者は無意識のうちに手に取るため、購買へとつながりやすくなります。
つまり、ディスプレイは単なる陳列作業ではなく、販売促進そのものであり、売上向上の起点となる重要な“接客手段”といえます。
さらに、良質なディスプレイは、店舗全体のブランドイメージを高める役割も果たします。
整然とした売場構成、わかりやすい商品分類、視認性の高い陳列は、顧客の買い物体験そのものを快適にし、「また来たい」と思わせるリピート要因にもつながるのです。
ディスプレイ戦略を見直すことで、売上拡大だけでなく顧客満足度の向上や店舗価値の向上も期待できます。
商品陳列の基本とテクニック
商品陳列には「お客様の視線を意識する」という基本原則があります。
ここでは、視覚的な情報を最大限に活かすための、売れるディスプレイに共通のテクニックをご紹介します。
注目させたい商品の陳列面(フェイス数)を広げる
「フェイス数(陳列面積)」は、売上に直結する重要な要素となります。
フェイスを広く確保することで、商品が目立ちやすくなり、お客様の視界に入る確率が高まりまるためです。
販売促進したい主力商品には、できる限り面を広く取って陳列しましょう。
注目させたい商品をゴールデンゾーンに陳列する
ゴールデンゾーンとは、身長160~170cmの成人が自然な姿勢で目にする高さ(床から約75~135cm)を指します。
ただし、ターゲットが男性か女性か、子どもかによってもゴールデンゾーンの高さは変わってきます。
ゴールデンソーンは、顧客にとって最も視認性が高く、手にも取りやすいため、売りたい商品の陳列には最適なエリアです。
売りたい商品を中央もしくは右側に陳列する
人の視線は左から右に流れる特性があるため、注力商品は棚の「中央」や「右側」に配置すると、お客様の目に留まりやすくなります。
視線は左上から右上、そして左下から右下へと「Z」の字に動く傾向があります。多くの人が利き手である右手で商品を手に取ることから、右側に置かれた商品は自然と購買されやすく、購入率アップが期待できます。
重さや価格帯で陳列の高さを決める
重い商品は低い位置、軽い商品や高価格商品は高い位置に陳列するのが基本です。
重いものを上段に置くと取りづらさや落下リスクが高まる一方、高価格帯商品は上段に置くことで「特別感」や「高級感」を演出できます。
売れ筋商品の隣に"類似商品"や"関連商品"を置く
売れ筋商品の近くに、機能や価格が似たプライベートブランド(PB)などの類似商品を置くことで、お客様の比較購買を促し、より価値のある商品を選んでもらう機会を提供することができます。
また、売れ筋商品と組み合わせて使う関連商品を近くに置くことで、お客様の「ついで買い」を促し、1人あたりの購買点数を増やすことにつながります。
売れるディスプレイを作る4つのコツ
商品陳列のテクニックをさらに効果的に機能させるためには、単なる配置だけでなく「売れるディスプレイ」に共通する考え方を理解し、計画的に実践することが重要です。
ここでは、現場で即実行可能な4つのコツをご紹介します。
ディスプレイの目的とテーマを明確にする
最初に重要なのは、「誰に」「何を伝えたいのか」を明確にすることです。
たとえば、「花粉症対策グッズをPRしたい」「季節のおすすめ商品を打ち出したい」など、テーマ設定が曖昧だと売場の訴求力もぼやけてしまいます。
目的がはっきりすれば、商品の選定、配置、装飾まで一貫性を持って展開できます。
商品が魅力的に見える配置にする
商品が魅力的に見える配置にするためには、次の2つのコツを押さえましょう。
テーマに沿った配色を使用する
たとえば、夏は「青・白・水色」、健康系なら「緑・黄・白」など、テーマに沿った色の組み合わせを意識することで、視覚的な統一感が生まれ、訴求力が高まります。
商品の特性に合わせた陳列をする
商品の形状やパッケージデザインによって、最適な陳列方法は異なります。
スタンドパウチは立てて並べ、箱型商品はピラミッド型に積むなど、商品の特徴を活かした工夫をしましょう。
特に意識したいのが、商品を棚の最前面に揃え、立体的に見せる「前進立体陳列」です。この手法は、棚にメリハリを生み出し、商品が豊富にあるように見せます。
結果として、お客様の視線を引きつけ、商品の魅力を最大限にアピールできるでしょう。
販促物を活用して商品を目立たせる
POPやのぼり、モニターなどの販促ツールは、商品の魅力を「補足説明」できる有効な手段です。
特に、パッケージからは伝わりにくい使用シーンやお得感、限定性などの情報は、視覚と文字でダブル訴求することで購買意欲を高められます。
顧客の動線を考慮する
売場を設計する際には、「お客様がどう動くか」をあらかじめ想定することが不可欠です。
たとえば、入口からレジまでの動線上に目玉商品を配置したり、棚間に“ついで買い”を促す小型陳列を設けたりすることで、自然な購買行動を引き出すことが可能です。
売れるディスプレイを作る前に押さえるべきポイント
ディスプレイの設計・実行においては、いきなり商品を並べ始めるのではなく、事前に押さえておくべき視点や準備項目があります。
これらを怠ると、せっかく工夫を凝らしても期待した効果が得られない恐れがあるため、注意しましょう。
以下に、売れるディスプレイを作る前に押さえるべき3つのポイントをご紹介します。
お客様の視点に立って売り場を作る
売りたい商品ではなく、「買いたくなる売り場」を設計することが鉄則です。
そのためには、スタッフの目線だけでなく、実際に店舗を訪れるお客様のTPOS(Time、Place、Occasion、Style)に応じた視点が不可欠となります。
● Time(どんな時に): 朝・昼・夜など時間帯ごとのニーズ
● Place(どんな場所で): 店舗の立地やコーナーの特性
● Occasion(どんな動機で): 本当の目的や背景
● Style(どのように): 顧客のライフスタイル
これらの視点を取り入れることで、お客様の行動や購買心理に深く寄り添った売り場づくりが可能になります。
たとえば、夏の行楽に出かける家族連れのお母さんが、冷えたドリンクを家族分、手早く選んで、お手頃価格で購入できる、など、実際のシーンを想定して売り場を作ることが重要です。
店舗コンセプトを明確にする
ディスプレイ戦略を成功させるには、まず店舗コンセプトを明確にすることが不可欠です。
コンセプトが曖昧だと、売り場に統一感がなくなり、お客様に「結局、この店は何が”ウリ”なんだろう?」という印象を与えてしまいます。
そのため、「この店はどんなお客様に、どのような価値を提供するのか」を具体的に考えてみましょう。たとえば、「地域密着の健康志向型スーパー」であれば、有機野菜や健康食品の売り場を充実させ、その魅力を効果的に伝えるディスプレイが求められるといった具合です。
改善のPDCAサイクルを回す
ディスプレイは「作って終わり」ではなく、継続的に改善していくことが重要です。
「どの商品がよく売れたか」「どの配置が効果的だったか」といったデータを元に振り返り、改善策を講じることで、売り場の完成度は着実に高まります。
特に、多店舗展開を行う企業では、標準化された評価指標と仕組みに基づいたPDCAサイクルを運用することが、成功のカギとなります。
売れるディスプレイを実現するならエイジスへご相談ください
ここまでにご紹介してきたような、売れるディスプレイを実現するには多くの手間と時間がかかります。
人手不足が深刻な今、こうしたディスプレイ作りを専門サービスに外注するという選択肢もおすすめです。
エイジスグループでは、お客様の売り場作りをサポートするため、以下のようなサービスを提供しています。
集中補充(商品補充・品出し)
店舗スタッフに代わって商品の補充や品出しを行います。
開店前やピークタイムに作業を完了させることで、売り場の状態を最適に保ちます。
これにより、店舗スタッフは接客や販売といったコア業務に集中でき、売上アップにつなげることが可能です。
エイジスの「集中補充(商品補充・品出し)」サービスについて、詳しくは下記ページをご覧ください。
https://service.ajis.jp/service/merchandising/display-replenishment.html
季節の棚替え・カテゴリーリセット
当社の専門チームが、店舗スタッフに代わって棚替えを迅速に実行します。
営業中に作業が可能なため、販売機会を失う心配もありません。52週MD計画に基づいた棚替えも、短期集中で正確に完了させます。
エイジスの「季節の棚替え・カテゴリーリセット」サービスについて、詳しくは下記ページをご覧ください。
https://service.ajis.jp/service/merchandising/display.html
新店準備・改装リモデル・閉店作業
新店オープンや改装、閉店に関わるあらゆる業務をエイジスグループが一括して承ります。
事前の打ち合わせから、什器の設置、商品陳列に至るまで、全てを専門チームが代行します。営業中や深夜の作業も可能なため、店舗を休業する必要がありません。
これにより、販売機会を失うことなく、顧客の離反を防ぎます。
エイジスの「新店準備・改装リモデル・閉店作業」サービスについて、詳しくは下記ページをご覧ください。
https://service.ajis.jp/service/merchandising/display-remodelling.html
まとめ
商品の売れ行きは、品質や価格だけでなく、「どう見せるか」、つまりディスプレイの工夫に大きく左右されます。
商品点数が多く、比較検討されやすい売り場では、視覚的な訴求力が購買行動を大きく左右する重要な要素となります。
売上アップと顧客満足度向上を両立させたい店舗運営担当の方は、この機会にディスプレイ戦略を見直してみてはいかがでしょうか。
なお、店舗での陳列業務や棚替え、新店準備といった運用面にお悩みの企業様には、エイジスの業務支援サービスがおすすめです。専門スタッフが補充、陳列、棚替えをサポートすることで、売れる売り場づくりを継続的に実現します。