備蓄倉庫管理のポイント ~すぐに使える備蓄倉庫とは?~
管理ができている備蓄倉庫を目指して
備蓄倉庫管理について、「何から手をつけたらいいの?」「うちはここが問題だと思っているのだけど一向に改善しない」など、お客様から様々な相談を頂きます。
もちろんお客様によって、課題や問題点は異なってきますが、そもそも「備蓄倉庫があるべき姿になっていないこと」が「備蓄倉庫を管理できない」理由になっていることにお気づきでしょうか。
エイジスが今までに行ってきた何千もの備蓄倉庫管理業務で気づいた、備蓄倉庫管理ができている倉庫の特徴について、共通するポイントを説明します。
管理しやすい備蓄倉庫とは「すぐに使える備蓄倉庫」
そもそも、備蓄品を入れて保管するだけが備蓄倉庫のあるべき姿ではありません。
発災した際に備蓄している物品がすぐに使える状態であることが、備蓄倉庫のあるべき姿です。そして、備蓄倉庫があるべき姿でないとその管理は非常に難しいのです。
昭和最後期頃から各自治体で災害対策用の備蓄が進められてきました。時代とともに、住民のライフスタイルの変化や想定避難者の多様化、災害の激甚化などで、備蓄品の種類や数量は多種多量となり、それによって倉庫の管理も複雑化してきました。
ただ倉庫に入れる、入れ替えるだけを繰り返してきた倉庫は、手が付けられない程に荒れてしまったのです。
帳簿上は在庫があるが、実際にアイテムと数量が合っているのかわからない、倉庫内のどこに何が置かれているか職員でもわからない・・・。
これでは管理以前に、発災した際すぐに使える倉庫ではありません。
備蓄倉庫の管理をするためにはまず、備蓄倉庫があるべき姿であること、すなわち「すぐに使える備蓄倉庫」であることが重要なのです。
「すぐに使える備蓄倉庫」のポイント
それではすぐに使える備蓄倉庫にはどんなポイントがあるのでしょうか。その一部を紹介します。
①備蓄品は使用用途ごとにまとめる
備蓄品には推奨すべき分類があります。その分類ごとに倉庫内である程度まとめることが有効です。
②適切な保管場所を見定める
備蓄品にはそれぞれの特徴や使用タイミング、地域特性により適切な保管位置があります。
適切な保管位置に配置することが重要です。
例:期限が近いものは手前、停電が想定されるためハンディライトは入口すぐ、など
③積み方の工夫
荷崩れしにくい積み方で、ラベル面は必ず見えるようにする
④導線やスペースを確保する
棚に入れる際は、棚の物が取れるようにその手前には物を置かないこと。
できる限り台車1台分が通れるくらいの通路を確保する。
納入計画が決まっていれば、その分のスペースも考慮して配置する。
⑤期限切れ、使用不可品のピックアップ
期限切れ物品や、使用が不可能な資機材は通常の物品と混ぜない。早めに撤去する。
⑥どこに何が置いてあるかわかるようにする(正しいデータを取得し掲示する)
その倉庫にある備蓄品の一覧と数量、倉庫内のレイアウト図を掲示する
すぐに使える備蓄倉庫は、自治体が管理しやすくなるだけでなく、発災時の避難所開設もスムーズに進めることができます。
備蓄倉庫管理をするならば、まずは備蓄倉庫を「すぐに使える備蓄倉庫」にすることが必須なのです。
作成:株式会社エイジス 田中