小売業の人手不足の原因とは?効果的な対策を紹介します
日本の小売業界、特に生活インフラを支えるドラッグストアやスーパーマーケットにおいて、人手不足はもはや一過性の課題ではなく、事業継続を揺るがす深刻な経営リスクとなっています。
限られた人員でいかに効率的に棚割りを維持し、欠品を防ぐかは喫緊の課題です。
小売業界では、労働人口の減少に加え、デジタル化の遅れによる現場負担の増大が離職を招く悪循環が続いており、従来の採用強化だけでは限界が見えています。
現在はIT・SaaSの活用や外部リソースによる業務プロセスの再構築が急務となっています。
そこで、この記事では、小売業における人手不足の根本的な原因を深掘りし、大手チェーンが導入すべき実効性の高い具体的な対策をご紹介いたします。
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小売業における人手不足の現状
小売業における人手不足の現状は、どうなっているのでしょうか?
全業種で高止まりする「人手不足感」の実態
日本の労働市場全体で人手不足が叫ばれていますが、なかでも小売業の現場は深刻な状況にあります。
厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-」によれば、小売業の半数以上の企業が「正社員・非正社員ともに不足している」と回答しており、景気動向に関わらず人手不足感が慢性化している実態が伺えます。
特に深刻な「現業職」の不足と採用難
ドラッグストアやスーパーマーケットにおいて、特に不足しているのが品出し、レジ、棚替えといった「現業職」を担うスタッフです。
店舗数が増大し続ける一方で、現場を支えるパート・アルバイトの確保は年々、難しさを増しており、募集をかけても応募が全く来ないというケースも珍しくありません。
賃上げの実施状況と限界
採用難を打破するため、多くの大手小売チェーンが時給の引き上げを実施しています。
しかし、最低賃金の上昇や他業界(物流、介護など)との賃金競争により、人件費は高騰し続けています。
利益率を圧迫する中での賃上げには限界があり、給与アップだけではもはや人員を確保し切れない局面に達しています。
小売業の人手不足の主な原因
小売業の人手不足の主な原因となっているのは、少子高齢化による生産年齢人口の減少や、他業界との獲得競争と賃金格差などです。
少子高齢化による生産年齢人口の減少
根本的な原因は、日本の人口構造の変化にあります。
生産年齢人口が減少する中で、労働力のパイそのものが縮小しています。
特に若年層の確保が難しく、高齢スタッフや外国人労働者に頼らざるを得ない状況が続いています。
他業界との獲得競争と賃金格差
EC市場の急成長に伴う物流業界の求人増など、隣接する業界との人材獲得競争が激化しています。
また、リモートワークが可能なIT・事務職などと比較し、「現場へ出向かなければならない」という制約がある小売業は、多様な働き方を求める求職者から敬遠されやすい傾向にあります。
さらに、厚生労働省の「令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」から「産業別の賃金構造(給与水準)」を見ると、小売業の賃金は金融業や情報通信業、不動産業、教育・学習支援業などと比べると低いことがわかります。
これらのことから、他業界との獲得競争で劣勢であることが伺えます。
長時間労働やシフト制など労働環境のイメージ
小売業の仕事は、「土日出勤、シフト制、立ち仕事」というイメージが定着しており、ワークライフバランスを重視する世代にとって、就業のハードルが高くなっています。
特に、人手が足りない店舗ほど、1人あたりの業務量が増え、さらに過酷な労働環境に見えるという負のスパイラルに陥っています。
人手不足が店舗運営に及ぼす深刻なリスク
このような人手不足は、店舗運営に次のような深刻なリスクを引き起こしています。
品出し遅れや欠品による販売機会の損失
人手が足りないと、商品部が立案した「棚割り」通りに商品が並ばない、あるいは入荷した商品がバックヤードに置かれたままになるといった事態が発生します。
これは、直接的な販売機会の損失を招くだけでなく、計画通りの販促が実行できないという大きな経営リスクを引き起こします。
既存従業員の負担増による離職
欠員を埋めるために、既存のスタッフが長時間労働や休日出勤を余儀なくされます。
現場の疲弊はメンタルヘルスや定着率に直結し、ベテランスタッフが離職することで、店舗のオペレーション品質がさらに低下するという悪循環を招いてしまいます。
顧客サービスの低下
接客や清掃に割く時間が削られることで、店舗の清潔感や接客の質が低下してしまいます。
顧客体験(CX)が悪化すれば、競合他社へ顧客が流出し、長期的な売上減少につながります。
小売業の人手不足を解消する効果的な4つの対策
こうしたリスクを打破すべく、人手不足を解消するためには、次の4つの対策が効果的です。
DX・ITツールの導入
セルフレジや電子棚札(ESL)、自動発注システムといったITツールの導入により、レジ業務や価格変更、発注業務の工数を大幅に削減できます。
ITツールの活用で、スタッフが「人間にしかできない接客や売り場作り」に集中できる環境を整えましょう。
多様な働き方の推進
シニア層や外国人材、さらには副業を希望する層など、これまでターゲットとしていなかった層まで、採用枠を広げることが重要です。
スキマバイトアプリを活用した、超短時間勤務の活用も良いでしょう。
多様な人材が活躍できるよう、業務のマニュアル化や多言語対応も併せて進める必要があります。
ノンコア業務の外部委託(アウトソーシング)
全ての業務を自社スタッフで完結させる考え方から脱却し、定期的な「棚卸し」や大規模な「棚替え(改装)」などのノンコア業務を外部の専門業者に委託しましょう。
これにより、現場スタッフの突発的な業務負荷を劇的に軽減できます。
従業員エンゲージメント向上と定着率の改善
働きやすい職場環境の整備や、適切な評価制度の構築を通じて、既存スタッフの満足度を高め、定着率の改善を図りましょう。
採用コストをかけるよりも、今いるスタッフに長く働いてもらうことの方が、中長期的にはコストパフォーマンスが高まります。
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まとめ
小売業の人手不足は、単なる採用の問題ではなく、現場の構造的な課題です。
DXによる効率化と、アウトソーシングによる業務の切り分けを組み合わせることで、限られた人的資源を最大限に活かすことが可能です。
まずは自社の現場がどの業務に圧迫されているかを可視化し、一歩ずつ対策を進めていきましょう。

