カテゴリーキラーとは?メリット・デメリットや実現するためのポイント
カテゴリーキラーとは、特定の商品カテゴリーに特化し、その分野で圧倒的な品揃えと価格競争力を持つ小売業態を指します。
カテゴリーキラーになることができれば、競合となるドラッグストアやスーパーマーケットなどに対する競争力を強化でき、ビジネスの成長につながるでしょう。
この記事では、主にドラッグストア向けに、カテゴリーキラーのメリット・デメリットと、その戦略を成功させるポイントをご紹介します。
カテゴリーキラーとは
カテゴリーキラーとは、特定の商品カテゴリーに特化し、その分野で最大級の品揃えと低価格を実現することで市場をリードする大型専門店を指します。一般的な小売店や百貨店とは異なり、狭い範囲の商品を深く掘り下げ、顧客にとっての選択肢の豊富さとコストパフォーマンスの高さを追求します。
カテゴリーキラーの最大の特徴は、その名の通り、特定の商品カテゴリーにおいてほかの競合店を圧倒する商品ラインナップです。顧客は、幅広い選択肢の中から自分に最適な商品を選べるようになります。
カテゴリーキラーになることで、大量仕入れによるコスト削減を実現でき、低価格での販売が可能になるため、顧客に選ばれやすくなります。
カテゴリーキラーと百貨店との違い
「専門性の高さ」「大型店」という点では、百貨店と共通します。
しかし、百貨店では衣料品から家具、食品まで、多岐にわたる商品群を一つの店舗で提供します。 また、高品質な商品を中心に取り扱い、価格帯も高めに設定されることが多いです。
さらに、個別の顧客サービスに力を入れ、質の高い接客を提供することをミッションとしていたり、店舗の雰囲気やブランドイメージを重視していたりします。
これらの点で、カテゴリーキラーと百貨店は大きく異なります。
カテゴリーキラーは「専門性」と「価格競争力」に重点を置き、特定の商品カテゴリーで市場をリードしようとするのに対し、百貨店は「多様性」と「サービスの質」に焦点を当て、幅広い商品を高品質で提供し、質の高いショッピング体験を顧客に提供しているのです。
カテゴリーキラーのメリット
カテゴリーキラーを目指して取り組むことで、次の5つのメリットが期待できます。
豊富な品揃えが可能になる
カテゴリーキラーは、特定の商品カテゴリーに特化することで、その分野における商品の多様性と専門性を実現します。
ドラッグストアチェーンの場合、医薬品、化粧品、日用品など、幅広い商品を取り扱いながらも、特に力を入れているカテゴリーにおいては他社が追随できないほどの品揃えを実現することができるでしょう。
その結果、消費者にとっての大きな目的地の一つとなり、集客力を高めることが可能です。
価格競争における優位性を保てる
大量仕入れによるコストダウンも、カテゴリーキラーの大きなメリットの一つです。
特定のカテゴリーに特化することで、仕入れの効率化が図れ、コストパフォーマンスの高い商品提供が可能になります。
これは、価格競争が激しいドラッグストア業界において、大きな競争力となります。
顧客満足度の向上が見込める
カテゴリーキラーでは特定の商品群で品揃えが豊富なため、顧客は、そのカテゴリーの商品から自分が求める商品を見つけられる可能性が高いです。
また、カテゴリーキラーでは大量の商品を安く仕入れて低価格で販売しているため、消費者は相場より安い価格で商品を購入できるででしょう。
これらの理由により、カテゴリーキラーに訪れた顧客の満足度の向上がする可能性が見込めます。
ブランディングがしやすい
カテゴリーキラーは、特定の分野における専門店としてのブランドイメージを確立しやすいです。たとえば、ドラッグストアチェーンの場合、健康と生活のサポートをする専門店としてのブランド構築が可能であり、顧客の信頼とロイヤリティを高めることができます。
また、カテゴリーに特化したマーケティング戦略も可能です。
シェアを獲得しやすくなる
カテゴリーキラーは、その専門性により、他社との差別化を図ることができます。
特にドラッグストアチェーンでは、健康と美容に関する専門知識を持つスタッフの配置や、専門商品の充実により、ほかの一般的な小売店とは一線を画すことができます。
その結果、特定のカテゴリーにおいてシェアを獲得しやすくなります。
カテゴリーキラーのデメリット
一方、カテゴリーキラーにもデメリットがあるため、取り組む前に把握し、対策しておきたいところです。
ECサイトには劣るケースもある
インターネットの普及により、ECサイトが小売業界において大きなシェアを占めるようになりました。
カテゴリーキラーは実店舗における販売に強みを持つ一方で、価格競争においてはECサイトに劣る場合があります。
ドラッグストアチェーンにおいても、オンラインでの医薬品や化粧品の販売が増加傾向にあり、これに対応するための戦略が求められます。
市場変化への対応が難しい
カテゴリーキラーは特定のカテゴリーに特化しているため、市場の変化や新たなトレンドへの対応が難しいです。
ドラッグストアチェーンの場合、たとえば医薬品に特化していたところから、健康志向の変化により、オーガニック商品やサプリメントへの需要が高まった場合、既存の商品ラインナップの見直しや新たな仕入れルートの確保が必要になる、などです。
このため、市場変化を想定した柔軟なビジネスモデルの構築が必要です。
ついで買いが期待しにくい
カテゴリーキラーは特定の商品に特化しているため、顧客がほかの商品を「ついでに」購入する機会は少なくなります。
ただし、ドラッグストアチェーンでは、日用品や食品など、ほかの商品とのクロスセルによる売上の向上が期待できるため、この点はさほど心配する必要はないでしょう。
高額商品を販売しにくい
カテゴリーキラーは、大量仕入れによる低価格戦略を取ることが多いため、高額な商品や高級ブランドの取り扱いが難しくなる傾向があります
ただし、ドラッグストアチェーンでは日用品や一般的な健康商品に強みを持つ一方で、高価な化粧品や医薬品の販売も可能なため、大きなデメリットにはならないでしょう。
高額商品を販売しなくても客単価を上げられるような施策を打つことも大切です。
カテゴリーキラーを実現するためのポイント
カテゴリーキラーとして成功するためには、どのようなポイントがあるでしょうか?
コスト削減による低価格化
カテゴリーキラーとしての地位を確立するためには、特定の商品群において品揃えを強化するとともに、コスト削減を徹底して低価格で商品を提供することが不可欠です。
このためには、効率的な在庫管理、大量仕入れによる単価の削減、物流コストの最適化などを実施する必要があります。
ドラッグストアチェーンでは、日用品や医薬品などの商品を大量に仕入れることで、コストを抑えつつ顧客に対して低価格を実現することが可能です。また、プライベートブランド商品の開発により、さらなるコスト削減と差別化を図ることも一つの戦略となるでしょう。
こうして、顧客に選ばれる店舗になることが重要です。
多店舗展開による利益拡大
カテゴリーキラーには、特定の商品カテゴリーにおいて圧倒的な品揃えと価格で市場をリードすることが求められます。そのためには、多店舗展開による市場カバレッジ※の拡大が重要です。
地域ごとのニーズを把握し、これに応じた店舗展開を行うことで、より多くの顧客にリーチし、利益を拡大することができます。また、新しい立地に店舗を開設することで、ブランドの認知度を高め、顧客基盤を拡大することが可能です。
※市場カバレッジ…ターゲットとなる顧客や潜在顧客に対して、カバーしている割合のこと。
カテゴリーキラーに取り組む際のおすすめのサービス
もし、これまで一般的なドラッグストアの品揃えと同等の商品群を扱っていて、これからカテゴリーキラーに取り組もうと考えるドラッグストア様がいらっしゃれば、必ず必要になってくるのが取扱商品の変更に伴う店舗改装です。
しかし、オープン時の店舗準備とは異なり、営業中に実施しなければならない店舗改装は、負担の大きなものとなります。
また、効率的、かつ、効果的な改装を実施するには、店舗改装に関する経験や専門知識が求められます。
そこで、おすすめなのが専門業者の店舗改装サービスを利用すること。
たとえば、エイジスでは、40年の実績に基づく適切な店舗改装サービスを提供しております。
旧商品の撤去から、什器の組立・移動、新商品の陳列、プライスカードや販促物の取り付け、棚割表以外の商品と在庫商品の仕分けまで、改装に関わる一連の作業を代行します。
営業中や深夜(開店前)の作業が可能なため、改装作業のための休業日を設ける必要もありません。
エイジスの店舗改装サービスについて、詳しくは下記ページをご覧ください。
店舗改装
まとめ
カテゴリーキラーは、特定の商品カテゴリーに特化し、その分野で圧倒的な品揃えと価格競争力を持つことで市場をリードするビジネスモデルです。
メリットとしては、特定の商品分野で他社にない品揃えを提供できたり、競合からシェアを獲得できたり、顧客満足度を向上したりできますが、市場変化への対応の難しさやECサイトによる販売に劣るなどのデメリットもあります。
カテゴリーキラーで成功するためには、市場調査と顧客理解、価格戦略の見直し、ブランドイメージの構築、オムニチャネル戦略の展開などを実施することが重要です。
エイジスでは、カテゴリーキラーへの取り組みに伴う店舗改装を代行するサービスを提供しております。
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