「棚卸とは?」 第3回 棚卸の事前準備

棚卸とは?①カバー画像

株式会社エイジスはお陰様で棚卸アウトソーシング国内シェアNo.1企業として多くのお客様にご利用いただいております。そんな弊社が、改めて「棚卸とは何か?」「なぜやらなくてはならないのか?」「コツはあるのか、失敗しないためのポイントは?」といった棚卸にまつわる様々なことを、コラムとして数回に分けて連載したいと思います。棚卸にお悩みの企業様、なぜ必要なのかを知りたいといった方のお役に立てれば幸いです。
第3回では、棚卸を行う前にするべき準備・必要な計画表について解説していきます。

棚卸の準備ー(1)棚卸の経験

 棚卸の準備と一口に言っても、商品整理、特にバックルームの整理、返品作業や、棚卸に必要な機器、筆記具や棚卸表などの消耗品、高所カウントのための踏み台や脚立の用意があります。
さらにとても重要なのが事前教育です。棚卸は年に数回しか行わないものです。日行っている業務には精通していても、棚卸となるとそうはいきません。
棚卸を年に2回行うとしても10年の勤務経験がある社員でも20回しか経験していません。ましてや、採用されてから間もない従業員や、短時間しか勤務のパートタイマーやアルバイト従業員は、棚卸について一から説明し理解をさせなくてはなりません。

棚卸に必要な人時、つまり必要な人数と開始から終了までの時間を見積もることも重要です。人時やそれに基づく作業割り当ての見込み違いが起きると、なんとか棚卸を終わらせなくてはならないと、急いで片づけようとすれば、間違いを犯す可能性は非常に高くなります。

棚卸の準備ー(2)計画表の作成

 次の表は、棚卸行う前の準備の計画の例です。第一に行うべきはこのような計画書を作成することです。
ここで重要なのはスケジュール化です。「いつまでに行う」のかこれをさらに「誰が行う」のかを計画する必要があります。部門ごとの準備は、それぞれ部門担当者が行うことになりますが、この表を見るといかに普段とはことなる仕事があることが理解できると思います。だからこそこのような細かな計画が必要になるのです。細分化していき、事前準備の責任者を明らかにします。基本的に事前準備は教育などを除くと、商品に関する業務はそれぞれの部門担当者が行うことになります。

期日

事前準備項目

(A)2カ月前までに

①棚卸に必要な資材・機器の棚卸実施、不足分の発注
②前回使用の棚卸マップの確認(受取)

(B)1カ月前までに

①バックルーム(以下BR)・売場の事前準備作業のスケジュールと部門別作業割り当ての決定
②長期未引取り(預かり)品の顧客への連絡
③棚卸監査責任者の割り当て

(C)14日前までに

①棚卸事前教育(説明会)の実施
②売場・BRのレイアウトを実際に確認しロケーション番号を割り振った棚卸マップの作成(前回使用したものの修正)
③破損品・欠陥品などの取引先への返品処理
④注文、配送承り伝票の整理
⑤棚卸に必要な資材・機器の確保確認
BR作業割当表と棚卸マップ掲示確認
BR用棚卸資材、機器の各部門への配布
⑧不足する脚立があればレンタルする
BRの不稼働在庫を数え、バーコードと数量ラベル貼付開始

(D)7日前までに

①仕入先に荷受ストップの案内(一部商品除く)
②店間振替、返品のストップの案内
③実施当日の照明空調設備及び警備手配確認
④棚卸組織図の完成(各人の役割が明確になる)及び各人への伝達と掲示

(E)3日前までに

①各種納品振替などの伝票類に(棚卸前)スタンプ押印指示
BR準備状況の確認(必要に応じて作業スケジュールと人員の調整)
BRにある空箱をすべてたたむ。空箱として保管しなければならないものは1カ所にまとめる
④売場、BR以外をチェックし、カウントすべき商品がないか確認(事務所や休憩室など)
⑤売場プライス表示確認と修正、商品マスター未登録不備有無の確認

(F)前日までに

①売場用棚卸資材・機器の各部門への配布
②各種納品振替などの伝票類の整理、回収、棚卸前後区分の確認
③納品されずに伝票だけ届いているものを分別しておく
④顧客注文品で売上計上しているものを分別し、「棚卸除外」と表示する 
⑤売場の空箱をたたみ撤去する(もしくは空箱表示)
⑥棚上在庫、売場引き出し内在庫のカウント

(G)当日開始前までに

①作業開始前最終打合せ(指示確認)
②事前準備最終確認
③棚卸マップの最終確認と修正
④監査打合せ
⑤会計監査の実施



組織と教育

 棚卸の組織は普段の店舗運営の組織とは大きく異なります。組織を機能させるためには「指示命令系統」を明らかにさせ、誰がリーダーでそれに従うメンバーが誰なのかがはっきりとわかるような組織図を作成し、従業員は棚卸日当日に誰に指示を仰げばいいのかを知る必要があります。指示されたことをその通りに実行することは当然ですが、「指示されたこと以外」はしてはならないということです。これはなかなか難しいです。少なくとも棚卸作業については「個人の創意工夫」は否定されなくてはなりません。もしあるとすれば棚卸の終了後に行う反省会の中での提案でなくてはなりません。

 「決められたことを決められた通りにやり遂げる。」これを間違いなく実行できる組織でなくてはなりません。そのためにも事前教育は非常に重要です。棚卸作業を学び理解すること以上に「組織的な行動」の重要性を理解させなくてはなりません。


|棚卸でお困りの方へ

実際に自社で棚卸を行っているけれど、思うように作業が進まずにお困りの方も多いのではないでしょうか?
棚卸でお困りの方へ、少しでも棚卸を楽にするヒントをご紹介します。

(1)棚卸表の無料テンプレート(Excel)を使用する
棚卸表とは棚卸の際に数量や金額等を記入する表のことを指し、決算の確定申告に必要な書類です。棚卸表に正式なフォーマットはありませんが、主に以下の項目を記載する必要があります。
①実施日②商品番号③商品名④数量⑤在庫単価⑥在庫金額⑦在庫状態(破損等)
専用のシステムを導入していない場合、Excelを利用するのが手軽です。
ここで、定番のテンプレートをご紹介します。
ダウンロード後は自社棚卸に必要な項目を追加することも可能ですので、ご自由にご利用ください!



(2)棚卸アプリで自社棚卸を効率化する

棚卸のパイオニアであるエイジスが棚卸アプリ「Easy棚卸」をリリースしました!
お手持ちのiPhoneカメラでバーコードをスキャン、WEBからカウントデータを承認するだけで棚卸が完了します。
新機能も続々追加予定ですので、是非導入をご検討ください。



(3)まるまるプロにお任せする

棚卸のプロ集団であるエイジスが、カウントからデータ納品まで代行いたします!
棚卸業界国内シェアナンバーワンだからこその豊富な実績と技術でお客様の棚卸をサポートします。




ご不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。


作成:全国万引犯罪防止機構理事 工業会日本万引防止システム協会副会長
エイジスリテイルサポート研究所
近江元


〈〈コラム「棚卸とは?」シリーズをチェック!〉〉

第1回「なぜ棚卸をするのか?」
第2回 「棚卸でよくある落とし穴」
 

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