坪売上と坪効率とは?坪効率をアップさせる方法を解説

坪売上と坪効率とは?坪効率をアップさせる方法を解説

都市部では、ドラッグストア同士が近接して出店しているのがよく見られるようになりました。
売場面積の小さな狭小の店舗も多く、もともと収益率が高いといわれるドラッグストアですが、より坪売上や坪効率を意識した販売戦略が求められます。

では、「坪売上」「坪効率」とは、何でしょうか?
本コラムでは、坪売上や坪効率の基本から、これらをアップする方法について、解説いたします。

坪売上と坪効率とは

まずは、基本の用語である「坪売上」「坪効率」、それぞれの定義を押さえておきましょう。

坪売上とは

坪売上とは、1坪(約3.3m2)当たりの売上高を表す数値です。
坪売上が大きいほど、店舗面積に対して効率よく売り上げているといえます。

坪売上の計算方法

坪売上は、以下の計算式で求められます。売上(月間) ÷ 店舗面積(坪数)

坪効率とは

一方の坪効率も、1坪(約3.3m2)当たりの売上高を表す数値です。
店舗の生産性を評価する指標の一つです。

坪効率の計算方法

坪効率の計算方法も、坪売上と同様、以下の計算式で求められます。売上(月間) ÷ 店舗面積(坪数)つまり、坪売上と坪効率は同じ意味を持つ言葉なのです。
坪効率は、「坪粗利益高」や「坪営業利益高」と並び、ドラッグストアを始めとするチェーンストアが重視すべきKPIの一つです。
以下からは、「坪効率」という表現を用い、アップさせる必要性や方法について、ご紹介いたします。

坪効率をアップさせる必要性

坪効率が高いほど、同じ店舗面積でより多くの売上を上げることができます。そのため、坪効率をアップさせることは、売上を向上させるための重要な施策となります。

ドラッグストアを始めとするチェーンストア経営では、展開しているすべての店舗において、坪効率を一定に近づけることが大切です。なぜなら、坪効率を一定に近づけることで「作業を標準化」できるからです。これがチェーンオペレーションの基本となります。

また、坪売上が高すぎれば、機会損失(売り逃し)を発生させている可能性があり、棚割の失敗を意味する場合があります。

さらに、同じ業種の店舗が密集する地域では、坪効率が競争力の重要な要素となります。坪効率が高い店舗は、より多くの売上を上げることができ、顧客の満足度も高めることができるため、競争力の強化につながります。

以上の理由から、小売業は坪効率をアップさせる必要があるといえます。

ただし、あえて広大な店舗を構えて集客に注力し、坪効率は二の次にするという戦略を取っている小売業もあります。
また、いくら坪効率が高くても、地価が高ければ、結局、コストの比率が高く、利益という観点では、さほど高くならない場合もあります。
このため、坪効率だけを見るのではなく、ほかの要素も踏まえながら販売戦略を構築する必要があるでしょう。

坪効率をアップさせる方法

では、具体的にどのような方法で坪効率をアップさせることができるのでしょうか? ここでは、主な4つの方法をご紹介いたします。

VMDの改善

VMDとは、Visual Merchandising(ビジュアルマーチャンダイジング)の頭文字を取ったもので、商品を視覚的に魅力的に見せるための手法のことをいいます。VMDには、店内のレイアウトやディスプレイの設計、商品の陳列方法などが含まれます。

いくら商品そのものが魅力的であっても、VMDに改善の余地があれば、商品を来店客にアピールできずに気付かれていなかったり、魅力を伝え切れずに手にとってもらえていなかったりという可能性があります。

このため、より来店客の興味を引くようにVMDを改善することで、より多くの商品に触れる機会を増やしたり、顧客の滞在時間を長くしたりして、売上向上につなげることができます。

デッドスペースをなくす

デッドスペースがあると、本来、商品や販促物を置けるはずの場所が無駄になってしまいます。そのため、デッドスペースをなくしたり、商品の陳列方法を改善したりすることで、売り場を有効活用することができます。たとえば、棚の上部や下部などに、商品がそこに配置されていない場合、有効に使用できる可能性があります。また、出入り口周辺やレジ周辺、通路の中央部分といった来店客の目に付きやすい位置に効果的なディスプレイがない場合も、改善の検討が必要でしょう。

その結果、同じ坪当たりに陳列できる商品の種類や数を向上でき、坪効率のアップにつながります。

顧客単価を上げる

同じ1坪の売り場に同じ数の来店客がいた場合、顧客単価が高い店舗の方が坪効率が高くなります。
このため、顧客単価を上げるための工夫を講じることも重要です。

たとえば、商品の価格設定を見直す、販売促進活動を改善する、顧客サービスを向上するといった施策が考えられます。また、商品の品揃えや店舗の雰囲気作りも重要です。

リピーターを増やす

リピーターは、すでに店舗や商品に対する信頼感を持っているため、新規顧客に比べて購買頻度や購買単価が高くなる傾向があります。このため、リピーターを増やすことで、坪効率のアップにつながります。

リピーターを増やすには、良質な商品やサービスを提供したり、ポイントカードや顧客ランク制度といった顧客ロイヤルティプログラムを導入したり、オリジナルアプリなどにより、顧客属性ごとにパーソナライズされたマーケティングを実施するなどの方法が考えられます。

売場の改善におすすめのサービス

上でご紹介してきた坪効率をアップする方法の中でも、取り組みやすいのが、売場の改善です。
特に、自力で対応するのではなく、アウトソーシングサービスを利用すれば、自社のスタッフは通常営業を続けられますし、プロのノウハウを活用できます。

たとえば、エイジスグループでは、「店舗改装」や「店舗レイアウト調査」「客動線調査」といった、坪効率アップを期待できる小売業向けのソリューションを提供しています。

店舗改装

現状の坪効率が悪い場合は、大規模な改装を行って一気に改善を進めるのも一つの方法です。

旧商品の撤去から什器の組立・移動、新商品の陳列、プライスカードや販促物の取り付け、棚割表以外の商品と在庫商品の仕分けまで、改装に関わる一連の作業を提供します。

営業中や深夜(開店前)の作業が可能であるため、改装作業のための休業日を設ける必要がありません。そのため販売機会ロスの減少、ロイヤルカスタマー流出の防止につながります。

詳しくは、下記ページをご覧ください。
店舗改装

店舗レイアウト調査

店舗レイアウト調査では、スタッフが店舗にうかがい、ロケーション(陳列棚)単位の店舗レイアウトマップを作成した上で商品陳列順に商品コードを入力し、商品陳列データを店舗レイアウトマップと紐付けし、データ納品いたします。

店舗レイアウト調査を行うことにより、店舗レイアウトマップから最新のフロアガイドを作成することが可能です。

当社にて、あるドラッグストア40店舗に対して、来店客に売場のわかりづらい商品の案内を行ったところ、プロモーション対象商品の売上個数が15%も向上したという実績があります。

詳しくは、下記ページをご覧ください。
店舗レイアウト調査

客動線調査

お客様の動きに沿ったレイアウトの改善に向けて、お客様が計画通りに売場を回遊しているかどうかを実際に調査します。
売場通路別の通過率だけでなく、来店客の性別年齢、同行者、かご・カートの使用率なども明らかにします。

詳しくは、下記ページをご覧ください。
客動線調査

まとめ

坪売上と坪効率は、ともに1坪当たりの月間売上高を示す数値で、次の計算式で求められます。 売上(月間) ÷ 店舗面積(坪数) 小売業においては、坪効率をアップすることで、売上向上やコスト削減、競争力の強化につながるため、改善のために取り組むことが重要です。

具体的な方法としては、VMDの改善やデッドスペースをなくすなど、売場の改善を中心に、ポイントカードやアプリの導入などが挙げられます。

来店客の興味を商品に惹きつけ、顧客単価の向上が見込める売場づくりに、アウトソーシングサービスを利用するのも賢い選択肢の一つでしょう。

ぜひ、40年以上も日本の小売業を支えてきた実績を持つエイジスグループまで、ご相談ください。

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