売場の効果測定の方法とは?実践する際のポイントも解説
売場効果測定の手法には、定量的な手法と定性的な手法、行動分析の大きく3つがあり、前者では売上や利益、顧客数、客単価などを算出して評価し、後者では顧客の声やアンケートなどを収集して購買意向や顧客満足度などを測ります。
特に、ドラッグストア業界は競争が激しく、生き残るためには、売場を効果的に運営することが重要です。そのため、売場の効果を測定して、改善や最適化を図ることが求められています。
この記事では、売場効果測定の基本から実践ポイントまでを詳しくご紹介します。
売場の効果測定とは
売場の効果測定とは、店舗の売場での販促やディスプレイがもたらす効果を数値で評価することです。
これは、店舗運営において非常に重要な要素で、特にドラッグストアチェーン業界では、顧客体験を高め、売上を向上させるための多くの改装やプロモーションが行われています。
これらの施策がどれだけ効果を発揮しているのかを測定する必要があるのです。
販促効果の測定は、冒頭でもお伝えしたように、大きく分けて定量的な手法と定性的な手法があります。
効果測定を行い、費用対効果をしっかりと把握することで、無駄な予算を削減し、より効果的な施策に資源を集中させることが可能です。具体的には、PDCAサイクルを回して、各施策の効果を定量的に評価することが重要です。
店舗運営においてよく指標となる「来店数」や「購買率」といった用語の意味を正しく理解して効果測定を行うことが大切です。
売場の効果測定の方法
売場の効果測定を行う具体的な方法には、定量的な手法と定性的な手法があります。
定量的な手法
定量的な手法とは、売上や利益などの数値で効果を測定する手法です。
具体的には、以下の指標を測定します。
- 売上
- 利益
- 客数
- 客単価
- 坪当たり粗利
- 坪当たり売上
- 回転率
定量的な手法は、効果を客観的に測定できるというメリットがあります。
しかし、売上や利益などの指標は、売場以外の要因によっても影響を受けるため、売場の効果をすべて測定することはできません。
定性的な手法や行動分析と組み合わせて活用する必要があります。
定性的な手法
定性的な手法とは、顧客の声やアンケートなどのデータを分析して効果を測定する手法です。
具体的には、以下の指標を測定します。
- 購買意向
- 商品認知度
- 商品理解度
- 顧客満足度
定性的な手法は、売場の雰囲気や商品の魅力などの、定量的な手法では測定できない要素の効果を測定することができます。
しかし、顧客の声やアンケートなどのデータは、主観的なものであるため、客観的に効果を測定することは難しいというデメリットがあります。
そこで、定量的な手法や行動分析と組み合わせて利用する必要があります。
行動分析
行動分析とは、顧客の行動を分析して効果を測定する手法です。
具体的には、以下の指標を測定します。
- 視認率
- 滞在時間
- 購買率
行動分析は、顧客が売場でどのように行動しているのか、客観的に測定することができます。
また、定量的な手法と定性的な手法を組み合わせることで、より効果的な分析を行うことができます。
売場の効果測定を行う際には、上記の3つの手法を組み合わせて行うことが効果的です。
また、売場の効果を測定する目的を明確にして、適切な手法を選択することが重要です。 具体的な手法としては、以下のようなものがあります。
- 売上や利益の推移を分析する:売上や利益の推移を分析することで、売場の効果を客観的に測定することができます
- 顧客アンケートを実施する:顧客アンケートを実施することで、顧客の声を直接聞くことができます。
- 行動分析ツールを導入する:行動分析ツールを導入することで、顧客の行動を客観的に測定することができます。
売場の効果測定を継続的に行うことで、売場の改善や最適化を図ることができます。
売場の行動分析・効果測定の進め方
ドラッグストアやスーパーマーケットなどの大規模店舗において、精度の高い効果測定を行うためには、場当たり的な数値確認ではなく、標準化されたプロセスに沿って進めることが不可欠です。具体的なステップは以下の通りです。
目的の明確化とKPIの設定
まずは「何を解決したいのか」という目的を定めましょう。
この時、ただ「売上を上げたい」ではなく、「新商品の認知度を上げたいのか(立ち寄り率)」、「特定棚の併売を促したいのか(客単価)」など、具体的な課題を抽出します。
その目的に合わせ、PI値(購買指数)や接触率、滞留時間といった、追跡すべきKPI(重要業績評価指標)を決定していきます。
現状データの収集(事前測定)
次に、施策を実施する前の「ベースライン」となるデータを収集します。
POSデータによる販売実績だけでなく、AIカメラやセンサーを用いて「顧客がどこを通ったか」「どの棚の前で立ち止まったか」という動線・行動データをデジタル化し、現状のボトルネックを可視化しましょう。
施策の実行とデータの蓄積
つづいて、改善のための仮説を立て、仮説に基づいた売場改善(棚割りの変更、販促什器の設置など)を実行します。
測定期間は、週末の特売や天候の影響を平準化するため、最低でも2週間から1ヵ月程度は継続してデータを蓄積することが望ましいです。
分析と要因の特定
施策の実行中に収集したデータを、「事前(Before)」と比較し、変化を分析していきます。
分析において「立ち寄り数は増えたが購入に至らなかった(商品力や価格の課題)」のか、「そもそも立ち寄りが増えなかった(導線や告知の課題)」のかを切り分けることで、真の成功要因や改善点を特定します。
次のアクションへの反映
さらに、分析結果に基づき、売場をさらにブラッシュアップします。
ここまでのプロセスを繰り返すことで、大手小売チェーン全体に展開可能な「勝てる売場」の再現性を高めていくことができるはずです。
売場の効果測定を実践する際のポイント
売場の効果測定を実践する際のポイントは、次の2つです。
売上だけでなくさまざまなデータに基づいて効果測定を行う
売上高は確かに重要な指標ですが、それだけで全体の効果を判断するのは短絡的です。
たとえば、顧客満足度やリピート率、口コミの数や質なども考慮に入れるべきです。
顧客満足度も測定する
顧客満足度は、顧客が店舗や商品にどれだけ満足しているかを数値で示すものです。
これを高めることが、長期的な売上増加につながります。
リピート率も測定する
リピート率とは、同じ顧客が再度購入する確率を示します。
リピート率が高ければ、顧客が商品やサービスに満足している証拠です。リピート率の向上は、長期的な売上に寄与します。
季節など外部要因を考慮する
効果測定を行う際には、季節や天候、地域のイベントなど、外部からの影響もしっかりと考慮する必要があります。
その上で、本当に施策の効果があったのか、そうではないのかを判断しましょう。
季節の影響
たとえば、夏には冷たい飲み物や日焼け止めがよく売れる傾向にあります。
これを考慮しないと、冬季と比較した場合に誤った結論を導き出してしまう可能性があります。
また、季節の変化が起こったタイミングが最も商品が売れる時期であり、これを逃さない考え方が「シーズンファストバイ」です。
一方、季節品は初回購入を逃すと購買頻度が大きく下がります。
たとえば、風邪薬は気温15度を下回るタイミング(10月ごろ)と5度を下回るタイミング(年末年始ごろ)で販売量が跳ね上がり、制汗剤はGW週に導入期、5月末でピーク期、7月末~8月初旬ごろで処分期を迎えるアイテムとなっています。
特に近年、日本の夏は長くなっているため、従来の「シーズンファストバイ」が前倒しになる傾向があり、これも考慮して効果測定を行う必要があります。
地域イベントの影響
地域で大きなイベントがある場合、それが店舗の売上に影響を与えることもあります。
たとえば、地域の祭りやスポーツイベントなどがあると、特定の商品が一時的に売れることがあるため、これを考慮する必要があります。
店舗の行動分析・効果測定を行うメリット
店舗の行動分析・効果測定を行うことで期待できる主なメリットは、次の4点です。
購買に至るまでの「プロセスの課題」を可視化できる
従来のPOSデータ分析では「何が売れたか」という結果しかわかりませんでした。
そこで、行動分析を行うことで「なぜ売れなかったのか」というプロセスが明確になります。
「棚の前まで来たが手に取らなかった(パッケージや価格の課題)」のか、「そもそも棚の前を素通りされている(陳列場所や導線の課題)」のかを切り分けることで、より的確な打ち手を講じることが可能になるのです。
機会損失の削減と売場の最適化
顧客の滞留時間や動線を可視化することで、デッドスペースの特定や、逆に顧客が集中しすぎて買いにくくなっているエリア(渋滞箇所)を把握できます。
これに基づいて棚割りを最適化することで店内回遊率を高め、ついで買いや非計画購買を誘発し、店舗全体の売上のベースアップにつなげられます。
エビデンスに基づいたメーカー交渉・本部施策の展開
商品部にとって、メーカーとの棚割り交渉や各店舗への施策指示において「客観的なデータ」は強力な武器になります。
感覚値ではなく「この陳列変更により接触率が20%向上した」という具体的なエビデンスを提示することで、社内調整や取引先との合意形成がスムーズになり、組織としての意思決定スピードが向上します。
販促コスト(ROI)の最大化
効果測定を行うことで、どのPOPや販促什器が実際に顧客の足を止め、購買に結びついたかを判定できます。
この結果をもとに、効果の薄い販促物を廃止し、投資対効果の高い施策に予算や人員を集中させることで、限られたリソースの中で最大の成果を生む店舗運営を実現できます。
売場の効果測定におすすめのサービス
売り場の効果測定は、客観的に行うことが重要ですが、自店舗の効果測定を客観的に行うことは、なかなか難しいものです。
そこで、おすすめしたいのが、第三者によって測定や評価を実施してくれるサービスの利用です。
たとえば、エイジスでは、来店客にアンケートやインタビューを行う「CS(顧客満足)調査」を提供し、「定性的な手法」を支援しております。
アウトソーシングを利用することで、自店舗の従業員は、分析や施策立案など、より戦略的で重要な部分に注力できるようになるでしょう。
まとめ
売場の効果測定は、販促活動の成果を明確にし、今後の戦略を練る上で非常に重要です。特に、競争の激しいドラッグストアチェーン業界においては、業績を向上して競争力を強化するために欠かせない取り組みです。
ただ、単に売上高を見るだけでは不十分で、顧客満足度やリピート率、さらには季節や地域イベントなどの外部要因も考慮に入れることが重要です。これらを総合的に評価することで、より正確かつ効果的な改善策を見つけ出すことができるでしょう。
また、顧客行動の分析や効果測定の周期とタイミングも重要な要素です。これらを総合的に考慮することで、より効果的な売場運営が可能となります。
多くの要素に影響を受ける複雑なプロセスですが、正確なデータ収集と分析を行えば、より効果的な施策を展開することが可能です。
売場の効果測定は、多角的かつ継続的に行う必要があります。売上だけでなく、顧客行動や外部要因も考慮し、それに基づいて施策を考えることが重要です。また、効果測定におすすめのサービスを活用することで、より精度の高い分析が可能となります。
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