GMROIとは?計算式やGMROIを高める方法について解説
GMROIとは、小売業における在庫管理と利益創出のバランスを評価する重要な指標です。
小売業界では、効率的な在庫管理と利益最大化のためにGMROIの理解と活用が不可欠です。
この記事では、GMROIの基本から計算方法、効果的な活用方法までをご紹介します。
GMROIとは
GMROIとは、「Gross Margin Return on Inventory Investment」の頭文字を取ったもので、「ジーエムロイ」または「ジーエムアールオーアイ」と発音します。日本語では「商品投下資本粗利益率」と訳されます。
在庫に対する粗利益の効率を測る指標で、具体的には、どれだけの在庫投資でどれだけの粗利を生み出しているかを示します。在庫管理と利益創出のバランスを評価するのに役立ち、特に小売業界で重視されています。
在庫を「売価」ではなく、「原価」で捉えている点がポイントで、これにより、セールなどによる売価の変動の影響を排除できます。また、商品ごとのGMROIの比較も行いやすくなります。
小売業におけるGMROIの重要性
小売業では、在庫管理が極めて重要です。なぜなら、過剰な在庫は資金の無駄遣いにつながり、不足していれば売上機会の損失につながってしまうからです。
GMROIは、在庫を効率的に利用しているかどうかを判断するのに役立ちます。GMROIが高ければ、少ない在庫で高い利益を上げていることを意味し、経営の健全性を示します。
GMROIの計算式
GMROI(商品投下資本粗利益率)は、「粗利益額」を「平均商品在庫高」で割ることで求めます。
具体的には、GMROI=粗利益額÷平均商品在庫高となります。
この計算式は、在庫に対する投資がどれだけの粗利を生み出しているかを示します。
なお、平均商品在庫高は、期首の在庫高と期末の在庫高の平均で求めます。平均商品在庫高を計算することで、一定期間内の在庫の平均的な水準を把握できます。
たとえば、ある期間の粗利益が500万円、期首在庫が100万円、期末在庫が150万円だった場合、平均商品在庫高は100万円+150万円=125万円となります。
したがって、この場合のGMROIは500万円÷125万円=4となります。
これは1円の在庫投資に対して4円の粗利を生み出していることを意味します。
GMROIを高める方法
繰り返しになりますが、GMROIが高ければ、少ない在庫で高い利益を上げていることになり、経営が健全であるといえます。そのため、現状のGMROIを、より高めることがポイントです。
GMROIを高めるには、粗利率を向上するか、在庫回転率を向上するかの2通りがあります。
(1)粗利率を上げる
粗利率を高めるためには、適切な価格設定、コスト管理、効率的な仕入れ戦略が必要です。
適切な価格設定
価格設定は、粗利率に直接、影響する重要な要素です。
価格を高く設定すれば粗利率は上がりますが、売上が減る可能性もあります。
逆に、価格を低く設定すれば売上は増えますが、粗利率は下がります。
そのため、最適な価格帯を見つけることが重要です。価格設定には、市場調査や競合分析、顧客満足度やブランドイメージなど、さまざまな要因を考慮して決定する必要があります。
コスト管理
コスト管理とは、原価や仕入れ費などの直接的な費用だけでなく、人件費や広告費などの間接的な費用も含めて、事業にかかる全ての費用を把握し、最適化することです。
コスト管理を行うことで、無駄な支出を削減し、収益性を高めることができます。コスト管理には、会計ソフトなどのツールを使うと効率的です。
ただし、コスト削減のために品質やサービスを犠牲にすることは避けましょう。
効率的な仕入れ戦略
効率的な仕入れ戦略とは、仕入れ先の選定や交渉、在庫管理や発注方法など、仕入れに関する全てのプロセスを効率化することです。効率的な仕入れ戦略を実施することで、仕入れ費を節約し、品質や納期を確保することができます。
また、売れ筋商品を多く仕入れ、死に筋商品を外すといった戦略も重要です。これが、在庫を適正に保つことにつながり、在庫回転率の向上に貢献します。
(2)在庫回転数を上げる
在庫回転率を高めることで、在庫に対する投資を最小限に抑えつつ、売上を最大化することが可能です。在庫回転率が高いということは、在庫が素早く売れていることを意味し、資金の回転が早くなります。
在庫回転率を高めるには、「商品の販売機会を増やす」「在庫数を減らす」ことがポイントになります。
これを実現するために、「需要予測を正確に行う」「在庫の見直しや整理を行う」の2点を実施しましょう。
需要予測を正確に行う
在庫回転率を高めるためには、需要予測を正確に行うことが重要です。需要予測とは、将来の販売量や消費量を予測することです。
需要予測が正確であれば、過剰在庫や欠品のリスクを減らすことができます。
需要予測の正確性を高めるためには、過去の販売データや市場動向などを分析する必要があります。また、季節やイベントなどの特殊な要因も考慮することも大切です。
在庫の棚卸を行う
在庫回転率を高めるためには、定期的に棚卸を行い、在庫戦略を見直すことも重要です。
在庫の品質や有効期限などをチェックし、売れ筋商品や不良品などを分類し、必要に応じて処分や値引きなどを行いましょう。
これらの作業を行うことで、在庫の質や量を改善し、在庫回転率を向上させることができます。
GMROIの向上におすすめのサービス
「GMROIを高める方法」でお伝えしたように、GMROIを向上させるためには、いくつかの方法があります。
なかでも、特に取り組みやすいのは、これまでも通常業務の中で取り組んできた「在庫の棚卸」なのではないでしょうか。
棚卸は、自社の店舗スタッフの手で行うことも、もちろん可能ですが、閉店後に行う作業でスタッフが疲弊してしまっていませんか?
かといって、棚卸のために臨時休業すれば、その間の販売機会損失で売上が減ってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、棚卸業務をアウトソーシングする方法です。
たとえば、エイジスグループでは、自社開発の棚卸端末・ソフトウェアを駆使し、商品カウント・データ集計・報告書作成・データ納品までを提供しております。毎日、棚卸業務を行っているため、精度・生産性の高い正確な棚卸が可能です。
詳しくは、下記ページをご覧ください。
店舗棚卸
まとめ
GMROIは、在庫管理と利益創出のバランスを評価するための重要な指標です。特に小売業においては、在庫投資の効率性を測る上で欠かせないものとなっています。
適切なGMROIの活用により、企業はより効率的な在庫管理と利益最大化を実現できます。
ぜひ、この記事でご紹介したようなGMROI向上の方法を実施し、利益向上を目指してください。
GMROI向上のためにできることの一つに、在庫の棚卸を行い、在庫戦略を見直すという方法があります。
棚卸業務のアウトソーシングなら、ぜひ、40年以上も日本の小売業を支えてきた実績を持つエイジスグループまで、お気軽にご相談ください。