ZEROから始まる未来ーフードロス削減BOXが繋ぐ新しいかたち

- フードロス問題の現状
- ZERO株式会社 事業内容
事業内容 - きっかけは、学生時代のバックパッカーの経験
fuuboをはじめたきっかけ
名前の由来 - fuuboの運用や実際の利用状況は?
利用者数
利用事例
商品の管理方法
商品の仕入れ先 - 今後の展開
現在抱えている課題
顔認証とは?
CO2削減の見える化とは?
fuuboの今後の展開
フードロス問題の現状
フードロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品を指し、世界では生産された食品の約3分の1、日本では年間約522万トンが捨てられています。
この問題は、環境負荷や経済的損失、飢餓との不均衡といった深刻な課題を引き起こしており、企業や行政の取り組みが進む中で、個人レベルでも意識を変えることが求められています。
今回、フードロスとCO2削減に取り組む中で、エイジスのラウンドメンテナンスサービスを導入いただいているZERO株式会社 代表取締役社長の沖杉大地様へお話を伺いました。
ZERO株式会社とは?


ー事業内容を教えてください
フードロス削減ボックスの「fuubo」という冷蔵自販機を開発・運営しております。
現在、全国約120カ所、駅や商業施設、郵便局、会社の中の休憩室に設置しております。fuubo内には全国の食品メーカーから出る本来であればまだ食べられるのに廃棄されてしまう商品をお客様にお得に提供するというサービスを行っております。
きっかけは、学生時代のバックパッカーの経験
ーfuuboを始めたきっかけ
学生時代にバックパッカーとしてアフリカや南米などを巡り、世界一周をした経験があります。その旅のなかで、子供たちから「Give me money、Give me money」と言われることが多々ありました。その場ではポケットに入っているお金を渡していたのですが、子供たちがそのお金を大人にもっていく、という場面をよく見ていて、「あ、この子達って自分ではお金使えないんだ」と思っていました。
ある時「Give me money」と言われた際、冗談半分で「ビスケットでいい?」と聞いて、ビスケットを渡してみました。すると女の子が「食べていいの?」と聞いてきたのです。「もちろん」と答えると、とてもうれしそうに食べてくれました。その瞬間「この子たちってGive me moneyって言っているけど、本当に欲しいのはgive me foodなんだ。」と強く感じました。明日食べるものがなくて困っている現実を目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。
日本に帰国してから、コンビニや飲食店でやむなく捨てている食品を目にし、「これをあの子供たちに食べさせたい」と思ったことがきっかけで、10年前からフードロス削減に取り組んでおります。
ただ、最初の7年間はなかなか事業が上手くいかず、どうしたらフードロスが解決できるのか?と考えに考えた結果が、このフードロス削減BOX「fuubo」に繋がりました。
ー名前の由来は?
安直ですがフードロス削減ポックス、略して「fuubo」と名付けました。
もともと最初に作ったのはfuuboなのですが、実は少しずつ名前を今出さないようにしておりまして、今は「フードロス削減ボックス ZERO」という名前で運営しております。その背景として、フードロスだけではなく世の中に出ているもったいないもの、本当はいいものだけど売り場がなくてどうしても捨てられてしまうもの、こういったものもフードロスになる前に売っていけるボックスとして今活躍しているため、フードロスに限らないという意味を込めてZEROという名前で展開しています。
fuuboの運用や実際の利用状況は?
ー利用者数は?
現在累計の会員数で約6万人、1ヶ月あたりのアクティブユーザーの数がだいたい1万人ぐらいになっています。面白い数字として、リピート率が90%を超えていまして、1回使った方は2回以上使っていただける率が90%となっています。
ー利用事例は?
一例として、工場に設置させていただいているのですが、朝6時~10時までは従業員に無料提供し、朝ごはんを食べてから仕事に入れるように、という福利厚生として利用いただいたりもしています。
ー商品の在庫管理方法は?
ボックスの中に入っている商品の賞味期限や商品の数は、WEB上のシステムで全て管理しています。
商品が少なそうな場所を把握し、納品を依頼することができるようになっています。
ー商品仕入れ先は?
基本的にはメーカーから仕入れております。今お取引のあるメーカーだと110社ほどで、大手が7割、残り3割は卸業者や中小メーカーになります。
今後の展開
ー現在抱えている課題
2つあります。1つがまず人の部分です。従業員が少ない中、なんとかこの120台を回していますが、今より台数が増えてきた時に営業や管理に人が必要になってくると思います。スタートアップベンチャーとなると、やはり人の採用が難しいというのが課題です。現在、エイジスにある程度おんぶに抱っこさせていただいて、配送が上手くいっている部分があります。決して自社で雇いたいとかっていうわけではないのですが、一緒になって事業を作っていただけるようなパートナー企業さんや人を増やして行きたいと考えています。
2つ目がボックスの開発についてです。最初に開発した旧型ボックスから新型に変えたのですが、ここからさらに12月に冷凍機能が追加されます。更に来年、顔認証やCO2削減の見える化なども機能として追加して行きたいと考えています。そのことを考えると、お金も人も開発をするのにコストがかかってくるので、何とか乗り越えなきゃいけないという課題があります。
ー顔認証とは?
ウェブサイトであらかじめ顔を登録しておいて、スマホを持たずにボックス横のタブレットに顔をかざすだけで開くというシステムを考えています。
それを実現することで、今までスマホなんて触れことがないというご年配の方や、クレジットカードを持たないお子様にも受け取ってもらえるようになると思います。
ーCO2削減の見える化とは?
CO2の削減量は中に入れる商品によって全く異なるのですが、現在2つの考え方でCO2削減量を算出しています。
1つが商品のカロリーベースで、もう1つが重さです。この2つの考え方で算出しているのですが、あくまでも1ボックスあたりのCO2削減というところの数字までしか現時点では算出できないため、今後は一人当たりのCO2削減量を数字で出せるようにしていこうと思っています。
fuuboを初めに使うきっかけというのは、安いからだと思います。しかし、「安く食べられて良かった」で終わらないように、それがどのぐらい社会に貢献できたのか、そこまでしっかりと見せる事が今後は必要だと思っています。
ーfuuboの今後の展開
・設置場所
周囲にコンビニやスーパーがない地域に設置し、買い物に困難を感じている方々への支援を目指しています。お菓子や飲み物、食事などを入れることができるのでお役に立てるのではと考えています。
・利用者層
現在利用者の多くは30~50代の方々ですが、今後はさらに幅広い年代に楽しんでいただきたいと願っています。10代や20代の若い世代から80代、90代のご年配の方々まで、誰もが買い物を楽しめる場としてfuuboを成長させていきたいと思っています。
・台数
現在120台ほどですが、ここで止まるつもりはありません。将来的に3年で1万台を目指すという高い目標を掲げています。今年始め、50台ほどだったものが、倍の100台になっていて、来年以降も300台、 500台と拡大を見込んでいます。その時に安心・信頼して商品を安全にお届けいただける、かつ一元管理ができるという点で、エイジスと組ませていただいていますので、今後台数が増えてきた時もお応えいただけるように連携を深めていきたいなと思っています。
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